皆様こんにちは。株式会社プラグフラックスの小森です。
これからの梅雨の時期、悪天候の中シェルターで過ごす機会も出てくるのではないでしょうか。そんな時、シェルター内部の雨漏りは絶対に避けたいと思います。
というわけで今回は、シェルターの「シームシーリング」処理について書かせていただこうと思います。
「シームシーリング」とは、シェルターの縫い目部分に専用の溶剤やテープで目止めして、縫い目の隙間から雨や冷気の侵入を防ぐ事です。とはいえ、LITEWAYのシェルターは少量の雨程度では雨漏りしないような縫針や糸を使用しています。実際に僕が今まで悪天候で雨漏りした事はありません(ただ豪雨での使用はありません、、)。
ただやはり、豪雨や長時間の雨の中ではどうしても雨漏りの可能性がでてくるので、快適な睡眠の為に是非「シームシーリング」に取り組んでみてください!
使用するシーリング剤
先ず最初にどのようなシーリング剤を使用すればいいのでしょうか。
前提としてLITEWAYのシェルターにはシーリングテープを使用する事は出来ません。理由として、LITEWAYのシェルターは「シルポリ」と言われる素材を使用しているからです。これは、ポリエステル生地の両面をシリコンでコーティングした素材で、表面が非常につるつるしている為、シーリングテープだと非常に剝がれやすくなるからです。
なので、テープタイプではなく溶剤タイプのシリコンコーティング専用のシーリング剤を使用します。LITEWAYが推奨しているのは「GEAR AID」社の「SEAM GRIP+SIL」なので、出来る限りこちらを使用してください。
シーリング剤を塗る前に
乾燥時間
シーリング剤を縫い目の上から塗っていくわけなのですが、塗ったシーリング剤が乾くまで最低6時間ほどと説明に書かれていますが、湿度などを考慮して12~24時間は乾かしましょう。しかしそこでネックになってくるのがどこで塗って乾かすのかという問題です。
どこで塗って乾かすのか
どこで塗って乾かすかは環境によって様々だと思いますが、出来れば屋内で設営した状態で塗って乾かすのが理想です。シェルターを設営せず部分ごとに塗っても構わないのですが、それだと乾かす時間を含めて1週間近くかかってしまいます。
しかし現実問題として屋内が難しい場合は、天気がよく、風のない日の屋外で塗っていきましょう。朝から塗り始めて日が落ちる頃まで乾かして撤収という感じです。6時間屋外で乾かせば表面は十分に乾くので、そのあとは屋内で出来る限り広げた状態で乾かしておきましょう。
塗る前に拭く
シーリング剤を塗る前に、固く絞ったタオルで水拭きして表面のホコリや汚れを落としてから始めましょう。未使用状態の場合は特に必要ないですが、一応拭いておいてもいいでしょう。拭いた後は乾くまで少し待ってからシーリング剤を塗り始めてください。
シーリング剤は薄めずに使う
シーリング剤は粘度があるので、塗りやすくするためにラッカー等で薄めて塗る場合もあるようですが、「SEAM GRIP+SIL」は原液のまま使用してください。
シェルターの裏表、どちらに塗るのか?
実際に塗り始める段階で、シェルターの外側と内側のどちらに塗るのか悩むと思います。両面シリコンコーティングされているのでどちらでもいいのですが、出来れば外側に塗った方がいいです。理由として、
・メッシュと一体の「ILLUSION TENT」は、メッシュがある為そもそも内側に塗れない
・外側から塗る方がとても塗りやすい
・塗ったシーリング剤は縫い目の糸に染み込んでコーティングしてくれますが、内側から塗った場合どうしても雨や夜露が糸に浸透してしまうので傷みやすく雨漏りしやすくなる。その点外側から塗れば糸の上でコーティングされるので糸が劣化せず雨漏りもしにくい。
しかし外側から塗ると、塗った跡が丸見えでダサいというデメリットがあります。しかしこれは「MYOG」(?)と捉えて逆にカッコいいと考え目をつぶりましょう!
ひたすら塗っていきます
今回「シームシーリング」していくのは、「ILLUSION SOLO TENT」です。メッシュと一体で前室も確保したサイズながら645g (ガイラインとスタッフサックを含む)と軽量。とても使い勝手のいいシェルターです。(詳細はこちら)
さて、あとは「SEAM GRIP+SIL」に付属している刷毛でシーリング剤をとり、縫い目に沿って塗っていきます。順番などは特にないので、好きな順番で塗ってかまいません。縫い目の糸にシーリング剤が染み込んでいくのを確認しつつ、縫い目を中心に6~10㎜くらいの幅で塗ってください。
ジッパー周りの縫い目を塗る際は、ジッパーの稼働部分に塗らないように注意して塗ってください。
縫い目全体を塗り、12~24時間乾かしたのちに、コーティング部分にベビーパウダー等をはたいてあげましょう。これは、収納時にコーティング同士がくっついてしまうのを防ぐためです。
この後は収納して構わないのですが、もし可能ならば屋内で数日間は広げたまま置いておけると理想的です。(シーリング剤が完全に乾くのに数日かかると言われています)
以上がシェルターの「シームシーリング」作業の流れです。これからの梅雨の季節を快適に過ごす為にも、是非「シームシーリング」に挑戦してみてください!