皆さまこんにちは。株式会社プラグフラックスの小森です。

年が明け、寒い日が続きますが風邪など引いてないでしょうか?

今回のブログでは寒い雪山から暖かい季節まで1年中大活躍のLITEWAYフロアレスシェルターを取り上げ、シェルターを構成する生地の比較をしたいと思います!

お気づきの方も多いと思いますが、2025年からLITEWAYシェルターのラインナップに変更があり、「DCF」モデルが廃盤となり「Tyvek」モデルが加わりました。昨年から始まった「UltraTNT」モデルにも触れつつ、違いや特性を、なるべくシンプルでわかりやすく、解説してみます!

各モデル生地の解説

まずは、各モデル生地にどのような特徴があるのか簡単に解説していきます。

Silpoly(シルポリ)は、LITEWAYが創業時から使い続けている生地です。

軽さと柔軟性があり、価格は最も安価です。折りたたみやすい為、収納時には最もコンパクトになる事も見逃せないポイントです。更にカラーラインナップがあるのも魅力のひとつです。

全体的にコストパフォーマンスが高く、扱いやすいモデルだと思います。少し気になる点は、多少の雨は防げるものの、縫い目からの浸水があるため、シームシーリング処理をご自身で施す必要があります(シームシーリング処理のやり方はこちら)。”ギアを育てる”と考え、DIY的に楽しめると良いですね!

昨年、LITEWAYから発売されたUltraTNTモデルは、「Challenge Outdoor」社が開発したUltra生地をベースに作られています。

UltraTNTは、超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)と呼ばれる繊維を糸状にし、ポリエチレンテレフタレートと呼ばれるPETフィルムでラミネートして作られています。高い寸法安定性とDCFと同等の強度を持ち、優れたリップストップ機能を併せ持ちます。さらに、強度の高いUltraTapeでシーム処理を施しており、完全防水に相当する200+PSIの耐水圧を確保しています。

世界的にニーズが高まり、価格高騰しているDCFに代わる新たな選択肢として注目されていると思われます。

2025年から販売を開始したTyvekモデルは、他生地のモデル中で最も軽く、生地の接合部を全て接着処理で仕上げる事で防水性を確保しています(出入口ジッパーの接合部もシーム処理済)。そして最大の長所は、水は通さず透湿性があるため、とても結露に強い生地となっています。同時に、通気性があるのでベンチレーションを排すことが可能となり、軽量化と強度の向上、故障リスク低減にも貢献しています。

個人的にこの色味がとても美しくて大好きで、起床時の結露が無いことも快適で最高です。

スペック比較

それでは次に3つのモデルを表にまとめてみました。重量や収納サイズなどの数値は、全て「DUO」モデルで比較しています。

SilpolyUltraTNTTyvek
素材・1.1 oz Silpoly 20D Ripstop
・YKK Aquaguard zipper
・0.94oz Ultra TNT
・YKK Aquaguard zipper
・Tyvek 1025D
・YKK Aquaguard zipper
重量(シェルター)440 g480 g435 g
重量(生地単体)41.5 g/m²32 g/m²37.3 g/m²
引裂強度(MD)2.7 lbs40 lbs2.2 lbs
耐水圧2,000 ㎜140,740 ㎜(200psi)140,740 ㎜(200psi)
収納サイズ16×10×15㎝19×9×21㎝20×10×20㎝
価格50,600円(税込)99,000円(税込)68,200円(税込)

上記のようなスペック値となります。

これらをデータと、実際に使用した上での所感をまとめてみました。

Silpoly
いいところ・コストパフォーマンスの高さ
・生地が柔らかい為、風でバタついた時の音が小さい
・シルナイロンと比べるとUV耐性が高く加水分解も起こりにくい
・収納時は一番コンパクト
良くないところ・自身でシーム処理をする必要がある
・重量としては2番目に軽いが、シーム処理をすると30gほど上乗せされる
・2,000㎜の耐水圧は必要十分とはいえ、他と比べると劣る
UltraTNT
いいところ・圧倒的な引裂強度の高さ
・正確な数値がないので記載を見送りましたが、耐摩耗性も圧倒的に高い
・風でのバタつきは意外と小さい
・シーム処理済みで、ほぼ完全防水
・設営時の剛性感は一番高い
・ほぼ他人と被らない(被ったら奇跡!友達になるべきです)
良くないところ・価格が高い(それでもDCFより2~3割安い)
・生地単体は最も軽いが、仕上がり重量は一番重い
・見た目が「昔のごみ袋みたい」だと揶揄される(笑)
Tyvek
いいところ・最軽量
・ほぼ結露しない(僕が使用した上では一度も結露していません)
・透湿性が高いのでベンチレーションを必要としない
・ベンチレーションが無い分、より軽量になり故障リスクが低い
・出入口が一カ所なので故障リスクが低い
・シーム処理済みでほぼ完全防水
・美しい(主観です)
良くないところ・縫いではなく接着式なので価格が高くなっている
・出入口が一カ所しかない
・ハードタイベックの為、風のバタつき音が大きい
・収納時に嵩張る(折りすぎず板状にパッキングすればだいぶコンパクト)
・強度では一番劣る

このような感じでしょうか。

それぞれに良し悪しがあるので、ありきたりですがご自身の使用環境に合わせた選択が必要になってくると思います。

では最後に、各モデルに合ったユーザー像をまとめて終わりにしたいと思います。

Silpoly

シルポリモデルは、やはりエントリーユーザーの方にオススメだと思いますが、同時にテントは消耗品だと割り切ってるヘビーユーザーにも向いていると思います。それと意外にハード系の野営ソロの方の使用も多かったりします。

ただでさえハードルの高い山岳フロアレステントなので、コストパフォーマンスに優れている点や平均的に優れている点で後悔が少ない選択になるのではないかと思います。

UltraTNT

UltraTNTは、昨今DCFの価格高騰から新たな選択肢として誕生した側面があるので、最高を求める方や新しいものが好きな方には魅力があると思います。

価格的には高額とはいえ、DCFと比べるといくらか安価なので、「ブランドより数値だ」という方にとってはいい選択になると思います。

Tyvek

タイベックはシンプルさや軽さで考えて、ULハイカーにとって魅力があるのではないかと思います。

とてもユニークなモデルで、長所が短所、短所が長所という側面があるモデルだと思います。個人的にはその辺がとても魅力的です。そして美しいです、、

誰にでもオススメ出来るモデルではないですが、価格的にも挑戦してみるのもいいのではないかと思います。

というわけで今回は、シェルター生地比較ブログを書いてみました。楽しんでいただけたでしょうか。

新しい年になり、「心機一転、シェルターを買おう!」と考えている方は参考にしていただければ幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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