皆様こんにちは。株式会社プラグフラックスの小森です。

これからの季節、アウトドアにおいて最も大切と言っても過言ではないインサレーションですが、よくよく考えてみますと、弊社取扱いブランドのうち「LITEWAY / BUSHMEN Travel Gear / Patizon」の3ブランドがインサレーションギアをラインナップしています。

そこで今回は、各ブランド全てのインサレーションギアを用途別に紹介しようと思います!

この記事がインサレーション選びの一助になれば幸いです!

キルト

「キルトの考え方」

キルトはざっくり言って掛け布団です。シュラフのように完全に包まれず、足元だけフットボックスを形成出来ますが背中は開いています。

背中にダウンがあっても自重でつぶれてしまい保温は期待できないので、それなら無くしてしまいスリーピングマットでカバーしてしまおうという考えです。

「快適温度の捉え方」

キルトでもシュラフでも、メーカーは使用温度帯を提示しています。その中からご自身の使用環境に合わせて選ぶわけですが、快適に過ごす為には同程度の温度帯スペック(R値)を持つスリーピングマットが必須となります。どんなに高性能のキルト(シュラフ)であっても、それに見合わないR値の低いスリーピングマットでは寒くなってしまいます。

僕個人の考えとしては、寒さ対策で大事なのはキルト(シュラフ)よりも、R値の高いスリーピングマットの方が重要だと思います。(弊社にはスリーピングマットの取扱いがないので言いたくないですが、、、、)

「キルトのメリット・デメリット」

背中部分がないので、同程度の温度帯のシュラフに比べてとても軽量で、収納もコンパクトになります。極力パッキングをコンパクトにしたいULハイカーの多くが使用しています。とはいえ背中が開いているため、付属のドローコードでスリーピングマットにきちんと固定したとしても、就寝中の寝返りなどで隙間が出来てしまい冷気が入りやすくなります。更にシュラフのようにフードが無いため、首元からの冷気侵入にも注意が必要になります。

なのでキルト使用の際には、着衣も合わせたトータルでの防寒が大切だと思います。

「ハンモックとの相性」

キルトとハンモックの相性は最高です。

シュラフで寝る場面を少し想像してください。動かない地面ではシュラフに潜り込む事は簡単ですが、動けば揺れるハンモック上ではなかなかに骨の折れる行動になります。一方のキルトだと、ハンモックに座り、フットボックスに足を入れ、あとは横になるだけです。

この違いは大きく、シュラフでは寝る前にひと運動となってしまい、入眠に弊害をもたらしてしまします。

もう一つのメリットとして、LITEWAYとBUSHMEN、どちらのキルトも付属のドローコードを使えばアンダーキルトとして使用する事も出来ます。

「Climashield® APEX」

LITEWAYが使用する中綿素材は、アメリカのメーカーであるClimashield ®が開発した化繊素材で、今日の市場において最も軽量で、高い熱効率を誇る独自のフィラメ ント断熱材を開発しています。この独自のフィラメント構造は、強い伸縮、洗濯、過酷な条件下においてもフィラメント構造を維持し続け、同社の技術AquaBan®との組み合わせにより、湿気を排出しつつ熱を逃がさない高い保温性を確保しています。更には繊維がアクリルコーティングされている為、水分をはじき内部への侵入を防いでくれます。

ブランド製品名(リンクあり)素材フィルパワー重量(ダウン量)快適温度価格(税込み)
LITEWAYSLEEPER QUILT APEX 10 D 4.0oz /+4℃化繊600g+4℃33,000円(36,300円)
LITEWAYSLEEPER QUILT APEX 10 D 6.0oz /-2℃化繊795g-2℃40,000円(44,000円)
LITEWAYSLEEPER QUILT 870+ FP 10D / -2℃ダウン870560g(280g)-2℃45,000円(49,500円)
BUSHMEN Travel GearGLOW – Camp quilt +5Cダウン750620g(300g)+5℃39,000円(42,000円)

シュラフ(スリーピングバッグ)

「マミー型シュラフについて」

チェコ共和国のシュラフブランドであるPatizonが作るシュラフは、体をすっぽりと覆ってくれる形状をしているマミー型と言われるタイプです。

マミー型は形状が人型になっている為、内部に無駄な空間がないので高い保温性があります。そしてキルトの際に触れましたが、完全に体を覆ってくれるので冷気の侵入を抑えてくれます。フードを最大限絞ってあげればより効果的です。

「シュラフのメリット・デメリット」

シュラフの主なメリットは上記で挙げた点ですが、使いやすさも見過ごせません。スリーピングマットの上に広げてジッパーを開いて潜り込むだけでよく、キルトのように隙間を作らないようにするためスリーピングマットへ固定する必要もなく、寝返りなどで隙間が出来る事もありません。

一方でデメリットとしては、背中側のダウンが自重で潰れて保温力が無くなってしまう事です。そのためシュラフと同程度の温度帯に適応するスリーピングマットは必須です。キルトと同様にスリーピングマットの性能が低ければシュラフの性能は発揮されません。

あとは、同程度の性能のキルトに比べて重量が重く、どうしても収納時に嵩張ります。

「Patizonのシュラフ」

ハンドメイドで作られているPatizonの山岳シュラフは、フィールドテストの場がアルプス山脈という事もあり、厳しい環境下での使用を想定して作られています。

素材・機能性・デザイン性・環境への配慮に一切の妥協がありません。そこには、“絶対にユーザーの命を守るシュラフブランド“としての強い想いが宿っています。

↓さらなるPatizonの思想については以下のリンクからどうぞ↓

「Patizon」ブランドについて

ブランド製品名(リンクあり)素材フィルパワー重量(ダウン量)快適温度価格(税込み)
PatizonG 400ダウン850719g(400g)-1℃80,000円(88,000円)
PatizonG 800ダウン8501,146g(800g)-10℃105,000円(115,500円)
PatizonG 1100ダウン8501,479g(1,100g)-14℃125,000円(137,500円)

ハンモック用アンダーキルト・アンダーブランケット

「ハンモックの防寒」

テント泊、ハンモック泊、どちらにしても背中の防寒が非常に大切です。テント泊では地面からの冷気を遮断してくれるスリーピングマット、ハンモック泊では大気の冷気を遮断してくれるアンダーキルトやアンダーブランケット。僕個人としては前述したように背中の防寒の方がより重要だと考えています。

そこで疑問になるのが、ハンモック泊でもアンダーキルトではなくスリーピングマットを使えばいいのではないのか?わざわざ高額なアンダーキルトを用意する必要はないのではないかと思う方もいると思います。実際に僕もハンモック泊でスリーピングマットを使用する事があります(寝心地も好きです)。

ただしそれは秋までの話です。冬場のハンモック泊では断然アンダーキルトの使用をオススメします。

なぜなら、自重はハンモックが支えているので、アンダーキルトのダウンは一切潰れることなく100%のロフトを維持できます。つまり、テント泊では絶対に体験することが出来ない、性能を100%活かしたダウンによる背中の防寒が可能だからです。この効果は素晴らしく、電気で温めているのかと錯覚するほどの暖かさを背中に感じる事が出来ます。

同時にスリーピングマットにはないアンダーキルトの効果として、側面の断熱があります。画像から分かるように、アンダーキルトは側面までダウンで覆ってくれるので、前述したキルトの弱点である隙間問題を解決してくれます。

このようにハンモックの防寒としてアンダーキルトは非常に効果的です。更にスリーピングマットと併用すれば、極寒の雪中泊も怖くありません。むしろ個人的にはテント泊より快適だと思っています。

「防寒の足し算」

とはいえ、冬のハンモック泊に興味はあるけどダウンのアンダーキルトは高額。という方にとってはアンダーブランケット(THERMO – Blanket)という選択肢もあります。アンダーブランケット単体で冬場は無理ですが、経験上R値3以上のスリーピングマットと併用をすれば、気温一桁ならば乗り切れます。

BUSHMENのアンダーブランケット(THERMO – Blanket)は、表面に耐水圧3000㎜のタープ生地、裏生地にフリース、そしてその間に断熱シートが挟まれています。この3層構造はとても効果的で、表面のタープ生地が雨や結露、風から守ってくれるので、外的要因に影響を受けずに裏面のフリースと断熱シートがきっちりと保温出来ます。

更にユニークなのが、ポンチョとして使用する事も出来、地面に敷くシートや、即席タープ、掛け布団としても使えます。このようにBUSHMENのアンダーブランケット(THERMO – Blanket)は、年間通して様々な使い方が出来る優れた相棒なのです。

ブランド製品名(リンクあり)素材フィルパワー重量(ダウン量)快適温度価格(税込み)
BUSHMEN Travel GearGLOW – Under quilt -2Cダウン750550g(300g)-2℃50,000円(55,000円)
BUSHMEN Travel GearGLOW – Under quilt -12Cダウン750800g(550g)-12℃63,000円(69,300円)
BUSHMEN Travel GearTHERMO – Blanket / oliveフリース750g+15℃10,000円(11,000円)
BUSHMEN Travel GearTHERMO – Blanket / camoフリース750g+15℃11,000円(12,100円)

GLOW – Under quilt
THERMO – Blanket

テントシューズ / ジレ

「APEX」

キルトでも触れましたが、このテントシューズやジレでも使用している化繊素材はClimashield社の「APEX」というフィラメント断熱材を使用しています。

化繊素材はダウンの代替品、というイメージがありましたがそれは昔の話です。「APEX」は高い断熱性、圧縮率を持ちながら、ダウンに比べ低価格を実現しています。水分に対して強いのも魅力です。ちなみに僕が使っているジレは洗濯機で丸洗いしています。

とはいえ、絶対的な断熱性、圧縮性、軽量性はダウンにはかないませんが、「APEX」はご自身の使用環境を考えたうえで、ダウンと同列に並べて選択出来る素材だと思います。

ブランド製品名(リンクあり)素材フィルパワー重量(Sサイズ)快適温度価格(税込み)
LITEWAYCHOONIE APEX 2.0oz /+11℃化繊52g+11℃5,900円(6,490円)
LITEWAYCHOONIE APEX 4.0oz /+4℃化繊80g+4℃6,800円(7,480円)
LITEWAYCHOONIE APEX 6.0oz /-2℃化繊102g-2℃7,500円(8,250円)
LITEWAYWARMLY GILET APEX化繊177g+4℃21,000円(23,100円)

以上駆け足で紹介させていただきましたが、より詳しい詳細を知りたい方は、それぞれの商品名にリンクを貼っていますので是非ご覧になってください。

少しでも冬の装備を考えている方の参考になれば嬉しいです。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました!